潤活日記

超還爺のサイクルライフ

銚子電鉄を辿る

今回はチャリ鉄です。
10月に入りサイクリングに適した気温になったので満を持して、かねてより目論んでいた路線「銚子電鉄」をめぐるライドをしてきました。この夏前から計画をしていましたが、あまりの気温の高さにこの時期になってしまいました。


銚子はブルベのコースにもなっていることが多いので自転車で銚子へは何度も来ていますが、いつも時間の余裕がなく見学も叶わず。いつかはゆっくり走ってみたかったので今回ようやくという感じです。


銚子電鉄はご存知の通り常に廃線の危機にある鉄道会社です。しかし自虐的とも言えるユニークな発想や「ぬれ煎餅」など鉄道以外の事業で食い繋いでいるイメージです。「売れるものは何でも売る」で駅名から線路の石まで背水の陣で踏ん張る姿が健気です。
幽霊電車を走らせたり、「電車を止めるな」など超C級映画作りをしたり、「電車屋なのに自転車操業」とか思わず笑ってしまう戦略に、これはもう銚電を応援せざるをえません。

そんな路線を辿るいつもの全駅巡り、距離は今までで最も短い6.4キロ、駅の数は10駅ですが、電車に乗ったりその沿線を自転車でトレースしながら走ると、この路線がどのような人たちを繋いでいるかが伝わってきます。


そうそう、自分では鉄ちゃんなんておこがましいと思っていましたが、「20本近くこんな鉄道ライド動画あげてるならこれはもう鉄ちゃんでしょ」と言われたので、今回から鉄道関係では勝手に「チャリ鉄」としましたw

銚子は漁港や灯台に観音様と言うイメージですが、歴史を辿ると1200年ほど前弘法大師が開眼した円福寺の門前町として栄えてきた町です。
その後江戸時代に漁業が賑わい、ヒゲタやヤマサといった醤油メーカーが創業し明治になって犬吠埼灯台ができたという経緯です。


今回はそれらに立ち寄りながらトレースします


起点の銚子駅では銚子電鉄の専用改札はなくJRを通り総武線ホームの先端に設けられた切り欠きホームが発着点となっています。

この可愛い駅舎の先が銚子電鉄ということになります。


駅周辺はよくある地方の賑わいがあります。


少し走ると醤油工場群の中に銚電の本社を兼ねる駅舎や車両基地がある仲ノ町駅がありあたりには大豆の香りが漂います。
150円の車庫見学券を買って構内を勝手に見てまわることにしました。

元は二階建てだった駅舎兼本社。

立ち入り禁止と記されているところ以外は見学OKみたいですね。


次の観音駅は文字通り円福寺(飯沼観音)の最寄駅、ならばと参拝に。

奉納されているのは酒ならぬお醤油


次は木立の中にある本銚子駅。

この駅舎はTV企画でヒロミさんがりメイクしましたが、鉄道ファンからは賛否両論で思わぬ方向で話題になりました。

森の中を走るのは乗っていても見ていても素敵でした。



次の駅は笠上黒生という駅ですが、銚子電鉄ではネーミングライツで別名として髪の毛黒生えという名前が付いていて、車内アナウンスにはほとんどの方が反応します。


またこの駅では単線の衝突事故防止のタプレット交換が行われたり、ホームに手動ポイント切り替えレバーも。逆に昨年アップデートされた最新の変電装置があったりと何かと楽しい駅でした。ただ、駅へ入る口が分からず苦労しました。

髪の毛黒生え

タブレット(通票)交換

手動ポイントレバー

昨年までは変電所の能力がともなわず走行中のエアコンが使えませんでしたが、このアップデートで払拭、今年の夏にエアコンが使えたのは良かったですね。



犬吠駅に到着、ここから灯台まではすぐなのでじっくり見に行きました。
前述の通り自転車で灯台を訪れるのは初めて。久しぶりの犬吠埼灯台にワクワクしました。


そしていよいよ終着駅の外川駅に到着。この駅は銚子電鉄の顔とも言われるレトロな大正の駅舎。仲ノ町駅同様古い駅舎が魅力的です。
留置されている古い車輌のデハ801は地元銚子商業高校の生徒の皆さんが呼びかけ、たくさんの協力者によって化粧直し。先月までは車内も公開されていました。



この銚子電鉄のライドは距離は短いのですが、こうして文章はシリーズで最も長くなっています。まあ、それほど印象深いライドだったと言うことですが、是非この路線は継続してほしいものです。