潤活日記

超還爺のサイクルライフ

ロングライドのアクシデント

ロングライドにメカトラはつきもの、色々なアクシデントに見舞われましたが、今回はそんな体験談です。



1.林道のトラブル
仲間と千葉へライドに行ったときのことです。その日はマザー牧場や近場の山を登ったり下ったりしていました。台風の直後で舗装された林道には落ち葉や木の枝が数多く散乱していました。それを避けながら登っていると自転車に少し違和感があり見てみましたが外観上は特に問題はありません。しばらく行ったところでひと休み、帰りのフェリーに間に合うよう港に向けて出発しようとしたとき突然ペダルが踏めなくなりました。詳しく調べてみると後輪のチェーンを掛け替えて変速するリアディレイラー(変速器)のガイドプーリー(小さな歯車)が動きません。原因はどうやら林道で落ちていた小枝をプーリーが巻き込んで破損したらしいのです。その場ではどうにもならないので、仕方なくチェーンをカットし変速器を介さないシングルギアにすることにしました。簡易型のチェーンカッターと切ったチェーンを繋ぐミッシングリンクを携帯していたので初めての作業でしたが何とか装着することが出来ました。しかし最終便のフェリーの出港時間が迫っているのにスピードが上がらず、皆が乗り遅れたら申し訳ないので、心配してくれる仲間を説得して先に行ってもらいました。何とかギリギリ自分も間に合いましたが、この日はトラブルよりも仲間の優しさが身に沁みた一日となりました。

右)リアディレイラー(後ろの変速器)     


 

 写真上が当時のチェーンカッターとミッシングリンクで下が現在のカッターですが、その時の経験から軽量化して今も常備しています。


 
2.チューブレスタイヤのパンク
秩父へ旅をしたときのことです。 寒いながらも抜けるような青空に気分良く走っていると前輪がパンク、徐々に空気が抜けペシャンコに。チューブレスタイヤでこんなことは初めて、タイヤを調べてみても原因となる異物は見当たらず、多分異物を踏んだあと抜けたようです。こんなとき普通なら中に入っているシーラントというケミカルが噴き出て穴を塞いでくれるはず、でもこのときは白いシーラントが吹き出した形跡は無し。再びエアーを入れてみてもシュ~と抜けてしまいます。対処として応急的に外から穴を塞ぐゴムパーツを貼る手もあるのですがこれを一度使うとこの先長距離を走り続けることは出来ず、タイヤ交換となるためブルベのように時間の縛りはないしそれは避けたい。ならば次は補修用のチューブを使うのですがこの時は携帯していませんでした。ブルベと違いただのロングライドと甘く見ていました。ただ救いは秩父の街中だったのでロードバイクを扱える自転車店も2キロほど歩けばありそこまで押してゆくと、なんとシーラントがほとんどなくなっていました。しばらく乗っていなかった車両だし、出掛ける前のチュックを怠った自らが招いた失態。幸いシーラントの補充だけで旅は続けることが出来ましたが、ブルベに限らずロングライドに出るときの準備の大切さを再認識しました。

 

シーラント液(チューブレスタイヤの中に入れます)



3.電源が絶たれればお手上げ
名古屋から鎌倉までの400Kmブルベを走っていたとき、35キロほど来た岡崎市でいきなり変速不能に。この時は電動変速の車両で、後ろの変速器が動作しない。
「おかしい?これは電池切れの挙動だ」と調べてみると電池不足のランプが点いていました。「そんなはずはない、満充電にしてきたはず」しかし、動かなければブルベを続けることは出来ません。近くの自転車ショップに問い合わせるも対応不可、残念ながらここでDNF(途中棄権)と相成りました。
帰宅後分かった事ですが、一般的なワイヤー式の変速器はレバーを引いて変速しますが、この電動変速器の車両の場合はレバーの形は同じでも機構的に押しボタンスイッチとして操作します。恐らく宿泊したホテルで立てかけておいた際何かに触れてスイッチを押し続けた状態になり電池消耗を引き起こしたようです。 
これ以降最悪モバイルバッテリーで充電しながら走れるように、長距離ブルベでは充電器を持参するようになりました。

電動変速器用の充電器



4.最後は未だ原因不明のトラブル
琵琶湖まで往復する1000Kmブルベの時のこと。
順調に琵琶湖までたどり着き湖を2/3程廻った近江舞子駅付近、折しも台風25号の強烈な風雨の中を走り続け疲労も重なっていたころに突然、「あれ?変速出来ない!」 この時も電動の変速器車両だったのですが原因が全く分かりません。岡崎の時のような充電地の問題でなさそう。ショップに連絡してみても原因が掴めず。600キロ程来たところでまたもブルベのDNFが頭をよぎりました。時間だけが無情に過ぎてゆきますがこればかりはどうにもなりません。DNFを決め近くの駅へ向かおうとしたとき「まったくも~」とヤケになり変速器を手で強引に動かしてみました、するとウイ~ンと変速可能に・・・。 「うっそっ!なんじゃこりゃ?」 しかしこれで再びブルベを走り続けることができました。

電動式のディレイラー


後日ショップに持ち込みましたがケーブルの接触不良等も見られず再現性がない。現在も原因は分からず仕舞い。不安を抱えながら1年後、岡崎で棄権した 3.の名古屋から鎌倉までのブルベに再挑戦、だがこの時もゴール目前の江ノ島付近で同じ症状に見舞われました、それでも以前の経験から手で動かしてみると笑っちゃいますがまたも復活、完走を果たしなんとかリベンジ成功。


車やオートバイよりも自転車のロングライドでは今回ご紹介したパンクや変速器の不調以外にもトラブルは多いです。途方にくれることもありますが、結局は事故やケガでも無い限り「何とかなる」ものですし、試行錯誤しながら乗り切ればそこから経験として学び得ることもある。時が経てば笑い話や武勇伝?となるかも知れません。自転車のことだけではなく旅で遭遇する様々なことや人との出会いもひっくるめてロングライドを楽しめば良いと思っています。